明かりに誘われ 招かれて ~作品展を待つ夜の幼稚園~
2017.11.29
大学構内から見えた明かり「先生たちこんなに遅くまでいるのかしら」と、
そっと立ち寄ってみました。
「こんな遅くにごめんなさい」
「いえいえ、良かったら明日からの作品展を観てください」
「えっ! こんな夜にいいんですか」「ぜひ どうぞ」と招かれて、
2階保育室へあがっていきました。
最初に足を踏み入れたのが、年長児クラスの「ねむりひめ」の部屋です。
「わぁ! カラスが空を飛んでる」
「魔女がいる」「ねむり姫がいる」
「いるいる どれも今にも動きだしそうだ」
「わぁ わぁ すごい!」と思わず叫んでいる私。
身近にあるプラスチックのスプーンやフォークが足や腕になるユーモラスな表現
や、トイレットペーパーの芯を組み合わせることで腕や足が動くように、まるで
操り人形のような創作。子どもの感性と柔軟な発想力と先生方の一人一人の子ど
もの工夫に命を吹き込むかのような展示の表現力。
ブラックライトに照らされた、奇妙な不思議トンネルをくぐって・・・
この電気の配線の工夫は、職員の方の力添えがあると聞き、
思わず「いいですねぇ」と。
子どもの作品が、いかに園内の教職員皆さんの協力・共同で演出されているのか
が伝わってきました。
一歩外へ出ると暗い中、一つ一つの部屋を回って作品に触れ味わい楽しんでいる
と、ふと「よるのようちえん」(谷川俊太郎作)の絵本が浮かんでいました。
保護者の皆さんは、わが子の作品とともに、みんなの作品が並んでお話の世界
を創り出している作品展をどのように感じられたでしょうか?
こども教育学科 教授 鍋島 恵美